新人教育(看護師)
今回の【地域医療の豆知識】では、「新人教育(看護師)」についてご紹介します。
質の高い医療サービス提供者として、多様な能力が求められる看護師には、医療機関での教育が鍵となります。
看護師は、患者さんを支え、医師と患者さんの間に立ち、互いの立場を理解・尊重し調整を図るという役割を担っています。
そのため看護師には、専門職としての能力とともに、コミュニケーション能力、判断力、洞察力など、多様な能力が求められます。そうした能力を育むのが、新人教育です。ある程度の規模の病院では、看護部が教育システムを構築し、新人看護師に対して、座学での研修、現場での研修など、手厚い指導・教育を段階的に実施しています。また、配属後も、先輩看護師が新人看護師一人ひとりに対し、仕事や生活の両面に亘り、良き相談相手として指導を重ねていきます。
超高齢化の進展、医療技術の進歩、医療計画の改編などにより、看護師の役割は今後さらに大きく広がっていきます。病院では、新人教育に続き、本人のキャリアアップをも見つめた継続的な教育を行い、質の高い医療サービスの提供者としての看護師育成に全力を注いでいます。
西尾市民病院では
一緒に働く仲間という立場を尊重し、新人一人ひとりに伴走する新人教育。
当院看護部の新人教育は、4月・5月には集合研修とローテーション研修を行い、社会人としての基礎、基礎看護技術を学びます。6月になると、毎月1回集合研修が行われ、チューター(指導者)や認定看護師、多職種からの研修を受けます。
こうした新人のための研修では、各部署の中堅が実地指導者となり、マンツーマンで新人看護師を指導。また、研修のカリキュラムの作成・実施は、看護部副主任会が担っています。副主任会では、実地指導者の意見を聞いたり、指導に関する相談事を受けつけるなど、チューターとして機能しています。
新人研修で留意しているのは、新人たちが一人前の看護師として成長できるようにすることはもちろん、受け入れる病棟の成長、つまりは看護部全体の成長にも繋がるよう働きかけることです。そのためには、一緒に働く仲間という立場を互いが尊重し、上から下への押しつけではなく、言葉を大切に伝え、新人一人ひとりに伴走する思いで教育を行っています。
今後は、今まで以上に、看護師の活躍する場、守備範囲が広くなっていきます。市民のための病院である当院の看護部として、新人もベテランも一緒になり、その可能性をさらに広げていきたいと思います。
6階東病棟 師長 角尾真弓(看護師)
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