入院支援
今回の【地域医療の豆知識】では、「入院支援」についてご紹介します。
不安のない入院生活、さらには、退院後の生活まで見据え、多職種がしっかり患者さんに寄り添います。
「入院支援」とは、入院が決まった患者さん(緊急入院は含まず)に、入院生活や退院、退院後の生活を見据えて行う支援を指します。これは厚生労働省が進めている地域包括ケアシステム、すなわち、高齢者が、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供され、住み慣れた地域で、安心して生活を続けることができる地域社会づくりを推進させるためのものです。入院期間の短縮が進む急性期病院(重症患者の治療を24時間体制で行う病院)のほとんどが行っている活動です。
具体的には、入院が決まった外来診療での段階から、手術や治療、入院生活、お金についてなど、患者さん・ご家族が抱える医療的・社会的不安や問題を把握。丁寧な説明や利用できる諸制度の紹介などを通して、問題解決を模索し、安心の治療・療養の実現を図ります。こうした活動の視線は、スムーズな退院と、不安のない退院後の生活までフォローする「退院支援」へと繋がれ、一貫した支援提供で医療の質の向上をめざします。
院内の貴重な人的リソースを繋ぎ、患者さんのさらなる安心を支えたい。
当院の患者支援室に入院支援部門が誕生して3年目。外科・整形外科で手術を受ける患者さんを対象に、面談数も開設当初より2倍程度に増えてきました。
面談する際、私たちが大切にしているのは、患者さんやご家族の心配や不安、悩みをいかに拾い上げるかということ。予定された入院治療であっても、患者さんやご家族にとっては、人生における一大事です。こちらから説明するだけではなく、表情や様子をきちんと見て、患者さんやご家族が話しやすい雰囲気を心がけています。
実際にお話を伺うと、患者さんの心配ごとは、病気や治療面はもちろん、過ごされる病室の環境やお食事(栄養面)など、多岐に亘ります。内容によっては、院内の認定看護師、管理栄養士など、専門知識を有する人的リソースに繋ぎ、患者さんやご家族がご納得いただけるまでご説明をしています。
これまで活動を進めるなかで、入院支援のための仕組みづくりは整えました。これからは、院内のネットワークをさらに拡充させ、患者さんの悩み、不安を、より専門的に解決できるシステムの構築および、対応診療科や人数の拡大に力を注ぎ、より充実した入院支援をめざしていきます。
【西尾市民病院 患者支援室 入院支援室副主任 米津恵美子(看護師)】
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