退院支援
今回の【地域医療の豆知識】では、「退院支援」についてご紹介します。
退院後、住み慣れた地域で、その方らしい生活を送るために、入院時点から最善の道を探ります。
超高齢社会の我が国では、医療需要がますます高まってきています。そのなかでも、適切、且つ、効率的に医療を提供するため、我が国において、医療や介護は、複数の医療機関、介護施設、介護サービス事業者などが地域で連携し、サービスを提供する仕組みになりました。具体的には、重症患者を対象とする急性期病院の入院日数は短縮化され、退院後はリハビリテーション病院への転院、介護施設への入所、介護サービスを利用しての自宅療養等など、退院後の療養生活の場が分かれていきます。
「退院後の療養生活」をどこで送るか。それは特に高齢者にとって大きな問題です。そのために生まれたのが、病院における「退院支援」という取り組みです。入院が決まった時点(入院前)から、患者さんの生活背景、家族状況などを考え合わせ、医師や看護師をはじめとする多職種が連携。退院後、一人ひとりの患者さんにとって、最善の療養生活を送ることができるよう、しっかりとサポートを行っていきます。
患者さんとご家族、当院と地域がより深く繋がる努力を続けています。
厚生労働省は、65歳を目安とした高齢者、基礎疾患のある人を、コロナの重症化リスク因子としています。治療薬は、こうした方々を中心に投与を検討することになります。さらに、安定的な薬の供給が難しいことから、現在、新薬については国が買い上げ、医療機関に無償配布されているという状況です。配布は1医療施設ごとに数量が限られているため、誰もが治療薬を選択できるわけではありません。こうした状況下、オミクロン株が主流となってからは「症状は軽く、仮にかかっても今は治る時代」という声が聞こえるようになりました。薬剤師から見ると、こうした考え方はとても危険です。若い世代で基礎疾患を持たない方が肺炎で入院した際、実は血糖値や血圧が高めで入院に至り重症化したという例もあります。
繰り返しになりますが、新しい薬だけに数量も限定され、若い方でも重症化するリスクがあることを正しく理解していただきたいと思います。加えて、通常の風邪とは異なる点は、血栓を生じやすい病気ということです。急に血栓が生じたことにより、心筋梗塞や脳梗塞などの症状を呈して、命に関わる場合もあります。これからも引き続き予防に心がけていただきたいと思います。
【西尾市民病院 患者支援室 医療ソーシャルワーカー 各務雅基】
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