【Care 療養支援のおはなし】認知症ケア
身体の治療をきちんと受けることができるよう、チームで認知症患者さんを支援します
01 認知症サポートチームが、療養生活をしっかりと支えます
高齢化が進む中、当院でも認知症を持つ入院患者さんの増加が見られます。認知症患者さんは、入院という環境の変化によって症状が悪化したり、意識の状態が低下したりすることがあります。そのため、身体の病気が治癒しても、生活の質が低下してしまうケースも少なくありません。
当院では、認知症を持つ患者さんが、生活の質を維持しながら、十分な身体の治療を受けられるよう、〈認知症ケア〉に力を入れています。その取り組みの中心となるのが、医師、認知症看護認定看護師を含む看護師、公認心理師などで構成された〈認知症サポートチーム〉です。このチームは、患者さんが安心して治療を受けられるよう、療養生活を包括的に支援しています。
02 身体と生活機能の保持・向上に役立つ院内デイケアを実施
認知症サポートチームでは、週に2回病棟を巡回し、患者さんの困りごとに関する相談に対応するほか、病棟看護師への指導も行っています。
また、入院生活にリズムを与えるため、週1回の院内デイケアを実施しています。このデイケアでは、牛乳パックで作った積み木の組み立て、ボードゲーム、場所や時間、季節を思い起こす話し合い、体操、風船バレー、塗り絵や計算など、多彩なプログラムで、午前中の1時間半を過ごしていただいています。院内デイケアに参加された患者さんは、笑顔や意欲の向上、人を思いやる気持ちが見られる、夜によく眠れるようになるなどの効果が確認されています。これらの取り組みは、認知症患者さんの身体機能や生活機能の維持・向上に役立っています。
【COLMUN】認知症を理解し良好な関係を築くために正しい知識を
認知症看護認定看護師は、認知症看護に関する専門外来(毎週水曜日9時~11時)を担当するほか、地域での出前講座を通じて認知症に関する講習も行っています。こうした場では、ご家族や配偶者の方からの困りごとを伺い、それが認知症の症状に該当するかどうかを含め、認知症について丁寧にご説明しています。
正しい知識を持って接すると、たとえば「怒る」という行動の背景を理解しやすくなり、それが認知機能の低下によるものかどうかも判断しやすくなります。高齢化が進む現代、認知症は誰にでも起こる可能性があります。お互いを大切にし、良好な関係を維持するためにも、ぜひ認知症の正しい知識を身につけてください。
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