2024年4月オープンする、西尾市民病院の訪問看護ステーション。ここでは、市民病院を母体とする強みを活かした運営をめざしています。
その強みの一つが、入院中から退院後まで途切れることなく質の高い看護を提供できることです。退院後も訪問看護が必要患者さんに対して、訪問看護師が早い段階で病室を訪ねて、退院後の医療的処置や生活へのご希望などを確認。さらに、病棟のスタッフから情報を収集し、継続した看護計画を立てていきます。また、退院後、他の訪問看護ステーションを利用される場合も、どのように訪問看護を利用していけばいいのか、丁寧にアドバイスして、安心して療養生活を始められるようサポートしていきます。

病院の看護と違って、訪問看護は一人で訪問し、患者さんの状態を観察して不測の事態にも適切に判断しなくてはなりません。そうした個別の看護実践をサポートするために、西尾市民病院では認定看護師を中心とした万全のバックアップ体制を整えています。
当院に在籍している認定看護師の専門領域は、摂食・嚥下障害看護から、がん化学療法看護、がん性疼痛看護、認知症看護、皮膚･排泄ケア、救急看護、感染管理、慢性呼吸器疾患看まで多種多様。たとえば、在宅療養している患者さんの認知機能が衰え、コミュニケーションのとり方が難しくなった場合は、認知症看護認定看護師に。患者さんの褥瘡が悪化し、皮膚ケアの方法に困ったら、皮膚･排泄ケア認定看護師に。あるいは、がん患者さんの痛みをなかなか改善できないときは、がん性疼痛看護認定看護師に。-----というように、必要に応じて各分野のスペシャリストが相談に応え、適切なアドバイスを提供します。

近年、平均在院日数の短縮化に伴い、医療依存度の高い状態で退院し、在宅で療養するケースが増えています。これからの訪問看護ステーションには、そうした患者さんに対し、専門的な医療的ケアを十分に行っていくことが求められます。
私たちの訪問看護ステーションは市民病院を母体にしているため、主治医ともスムーズに連携しながら、適切な医療処置を行える強みがあります。たとえば、吸引や酸素管理、点滴、各種カテーテルの交換や管理、がん末期患者さんへの麻薬の投与など、専門的な医療的処置を積極的に行っていく計画です。そして、ゆくゆくは24時間サポート体制を整え、在宅での看取りにも対応していきたいという構想もあります。地域の訪問看護ステーションの皆さんからも頼りにしていただけるような、地域の訪問看護の拠点をめざしています。