【Care 療養支援のおはなし】褥瘡回診チーム
外来、入院、そして往診まで、早期発見・治療・治癒をめざし、患者さんを支えています。
01 褥瘡はさまざまな要因で発症。重症化すると命を落とすことも。
褥瘡とは、一般名で床ずれと呼ばれている創傷のことです。皮膚と骨との間の組織に、圧やズレ、摩擦などが加わり周辺組織が壊れた状態をいいます。
発症するのは、ご本人が動けなくなる、例えば、寝たきりになる、急な発熱で動けなくなる、骨折で動けなくなるといったとき。また、栄養低下、糖尿病やステロイド剤を使用する病気など。さらには、皮膚の乾燥や不衛生、そして、介護力が乏しくなるなど、さまざまな要因が重なるケースがあります。
褥瘡は、初期の段階では皮膚が赤くなる程度ですが、進行すると重症化し、最悪の場合、感染症を併発して命を落とす危険性もあります。
02 医師をはじめ多職種協同で褥瘡に立ち向かっています。
当院では、褥瘡回診チームを設けています。活動目的は、褥瘡の発生予防と早期治療・治癒です。チームは医師(形成外科)、薬剤師、管理栄養士、皮膚・排泄ケア認定看護師で構成され、入院患者さんのなかで、活動性が低下し安静状態が長く続いた方や、栄養状態の悪い方、麻痺などで知覚低下し褥瘡がある方を対象に週1回の回診を通して、予防・治療を実施しています。そして、必要に応じて皮膚科医、他分野の認定看護師、NST(栄養サポートチーム)と連携を図るなど、適切な処置に努めています。
なお、皮膚・排泄ケア認定看護師は外来患者さんにもアプローチし、予防できるように生活や環境についてお話しします。さらには、医師と、特定行為看護師と褥瘡往診を行うなど、地域の褥瘡対策にも力を注いでいます。
【COLMUN】褥瘡への知識、対策の向上に挑戦。
褥瘡回診チームは、病棟スタッフへ予防・ケア方法の提案、指導を行うのはもちろんですが、褥瘡の治療をした患者さんの退院後の行き先(自宅・施設など)、治療の場所などによっては地域との連携も進めるなど、当院を退院したら終わりではなく、褥瘡往診を含め、その後の経過もフォローしています。また地域の病院や施設、訪問看護師事業所の皆さまに褥瘡の勉強会を開催し、地域全体の知識向上を図る活動もしています。
褥瘡はお尻だけでなく、ひじ、かかと、頭、耳、肩、背中などにも発生します。決して軽く考えず、私たちのチームにご相談ください。
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