【Care 療養支援のおはなし】特定行為看護師(創傷管理)
創傷に対して、医師が作成した手順書に従い、壊死組織の除去、陰圧閉鎖療法を行います。
01 褥瘡(床ずれ)による創傷管理に、2つのアプローチ。
創傷とは、外力により生じた皮膚や軟部組織の損傷を指します。火傷(やけど)や擦り傷、皮膚の潰瘍などがあり、褥瘡(床ずれ)によって生じた創傷も含まれます。当院で、褥瘡の創傷管理に携わっているのが、特定行為看護師です。
特定行為看護師は、厚生労働省が定める「特定行為に係る看護師の研修制度」を修了し、医師の判断、また、医師が作成した手順書に従い診療の補助ができる看護師をいいます。
創傷管理関連において、特定行為看護師が行える特定行為は、褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去。そして、創傷に対する陰圧閉鎖療法の二つがあります。
02 院内の褥瘡回診チームと、在宅スタッフとも協力。
褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去とは、いつも同じところに、一定以上の圧力が持続的に加わることで生じる、腐った組織を取り去ることです。この除去は大切な処置であり、治癒への期間を短くすることができます。但し、リスクの高い方、重篤な症状の場合は、医師しか行うことはできません。
そして、創傷に対する陰圧閉鎖療法とは、創傷部分を専用の被覆材で覆い、小さな機械で外部から陰圧(外よりも気圧が低い状態)をかけ、浸出液を吸引する治療法です。病状にもよりますが、治癒期間の短縮化を図ることができます。
特定行為看護師は、こうした診療補助を、院内では褥瘡回診チーム、在宅では地域の訪問看師、ケアマネジャーとの連携のもと実施しています。
【COLMUN】患者さんへのタイムリーなケアの提供を担っています。
多忙な医師を支えるとともに、患者さんへのケアがタイムリーに実践できるのが、特定行為看護師です。私自身は特定行為はもちろんですが、看護師本来の視点である患者さんの生活面、社会背景を見つめたケアを心がけています。そのためには、院内の褥瘡対策チームとの協力体制は重要であり、スタッフへの処置やケア方法の提案、指導にも力を入れています。
また、在宅へは医師と一緒に訪問しますが、訪問看護師さんやケアマネジャーさんには、第三者的に特定行為のケア方法を評価していただく、また、在宅でのケアや予防についてのご相談をお受けするなど、地域全体への視野を持つ病院の看護師としての活動を心がけています。
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