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大腸がんの手術を拒む 患者の思いに寄り添って。

ある日、西尾市民病院の患者支援室に、検査で大腸がんが見つかった患者の相談が舞い込んできた。患者は80代の男性で、妻と二人暮らし。医師は手術とストーマ(人工肛門)の造設を勧め、妻もそれを強く望んでいた。しかし男性は「人工肛門になるくらいなら、手術は受けない」と頑なに拒んでいた。「私が手伝うから大丈夫。あなたに生きていてほしい」と、妻は必死に説得したものの、実は妻自身、人工肛門をうまくイメージできずにいた。

外来から相談を受けた患者支援室の室長、畑中英子は早速夫婦に面談し、手術の可能性を模索することにした。鍵を握るのは、人工肛門への抵抗感の払拭だ。まずは、皮膚・排泄ケア認定看護師に応援を依頼し、ストーマの装具やケアの仕方などを丁寧に説明した。今は装具が進化していて支障なく過ごせること、人工肛門になっても、がんを克服して元気に暮らせることなどを説明していくうちに、男性の抵抗感は少しずつ薄れ、妻も装具のケアに対する自信を深めていくようだった。何度目かの面談の後、男性は吹っ切れた表情で「わかりました。手術を受けます」と話した。その言葉には、〈生きよう〉という前向きな気持ちがあふれていた。それからしばらくして、大腸がんの手術は滞りなく終わり、夫婦は今、元気な姿で通院し、ストーマ外来のフォローを受けているという。

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