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【Cure 病気のおはなし】乳がん

早期段階で治療を開始すれば、ほぼ完治が望めます。自覚症状がなくても検診受診を!

01 乳房の末端部分に乳がんが発生

本誌特集と同じ乳がんのお話ですが、ここでは主に初期段階での診断、検査、治療についてお話をします。

乳房は、乳腺とそれを包む脂肪組織で構成されています。乳腺は放射状に広がり、乳管と小葉からなる乳腺葉に分かれています。乳管は木の枝のように分かれており、その末端部分である終末乳管-小葉単位に多くの乳がんが発生します。

がん細胞が小葉膜を越えていない段階では早期がんです。この段階で治療を開始すれば、ほぼ完治します。しかし、時間が経つとがん細胞は乳管の外に浸潤し、さらに進行するとリンパ管や血管内に侵入し、転移する可能性があります。

02 初期治療の目的は、再発を少なくすること

乳がんにはさまざまなタイプがあり、それぞれに効果的な治療法が異なります。例えば、ホルモン治療、抗がん剤と抗体治療、抗がん剤(単独)などが挙げられます。診断には、エコー(超音波)検査や乳房X線検査(マンモグラフィ)、針生検(組織診断)、さらにはMRI検査、CT検査などを行い、がんの広がりや転移を確認してステージ(病期)を決定します。

治療の初期段階では、再発を防ぐことを目的に手術や薬剤治療を行います。手術には、しこりの周辺のみを切除する乳腺部分切除と、全乳房を切除する乳腺切除術があります。また、センチネルリンパ節生検や腋窩リンパ節郭清も実施されます。術後には、抗がん剤治療や放射線治療を行い、経過を注意深く観察します。

【Message】女性には最も多いがん。若い世代も安心せず要注意!

乳がんは、女性が患うがんのなかで、最も多いがんであり身近な病気です。30歳代から増え始め、50歳代~60歳代が最多であり、他のがんと比べ、若い世代にも多いことが特徴です。乳腺の異常(しこり・乳頭分泌・皮膚症状など)を自覚した場合は、すぐに専門的に詳しい検査ができる病院を受診することが何より大切。検査の結果、良性の場合もあるので、恐れず受診をしてください。自覚症状がなくても、40歳を過ぎた人は、積極的に検診を受診することをお勧めします。なお、乳がんは、女性100人に対して男性1人の割合で、男性も罹患しています。そのため、女性と同じく、乳房を触り、しこりや乳頭からの分泌物がないか、セルフチェックをすることが大切です。




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