【Cure 病気のおはなし】骨粗しょう症
骨粗しょう症の最大リスクは骨折。要介護・要支援に繋がる危険性があります。
01 代謝バランスが崩れ、骨がもろくなった状態。
骨の中では、常に古い骨が削られ(骨吸収)、代わって新しい骨がつくられており(骨形成)、新陳代謝を繰り返しています。そのバランスが崩れ、骨がもろくなった状態を骨粗しょう症といいます。
骨粗しょう症自体に痛みはなく、通常の生活に支障はありませんが、問題なのは、外部から力がかかると、簡単に骨折してしまうことです。例えば、転倒や尻もち、くしゃみや咳など、ほんのちょっとのことでも骨折に繋がります。
発症リスクが高いのは、50歳以上の女性です。骨を守っていた女性ホルモンであるエストロゲンが、閉経後に減少するためです。
02 半年から年に1回は検査をし、治療も継続的に受ける。
骨粗しょう症の診断では、X線を用いたDEXA法により骨密度を測定し、若年成人の平均値を基準に、70%未満なら骨粗しょう症と確定されます。
治療は、服薬や注射の薬物療法が中心になります。服薬では、骨の材料となる成分を増やす、破骨細胞の作用を抑える、女性の場合は女性ホルモンを補充するといった薬を使用します。また、自分もしくは家族による自己注射もあります。骨を作る作用の促進、壊れることへの抑制が目的ですが、副作用の可能性を鑑み、一生涯で2年間と定められています。
骨粗しょう症は、半年から年に1回は骨密度の検査を受け、数値が上がっているか、現状維持を続けているかを確認し、途中で止めることなく、継続的に治療を受けることが大事です。
【Message】骨粗しょう症は、食事や運動による「予防」が何より大切です。
骨粗しょう症での一番のリスクは骨折です。高齢者に多い骨折には、手首部分の橈骨遠位端骨折、脊椎の圧迫骨折、そして、股関節部分の大腿骨近位部骨折の三つがありますが、なかでも大腿骨近位部骨折では、寝たきりに結びつく可能性もあります。現に、厚生労働省の国民生活基礎調査では、要介護・要支援になる人の12.5%は骨折・転倒によるもので、その多くは骨粗しょう症が原因と考えられています。
骨粗しょう症で重要なのは、予防です。カルシウムをはじめバランスの良い食事を取る。骨に重力負荷が加わるウォーキングや筋力トレーニングなど、適度な運動をすることが大切です。日々の生活のなかで少しずつ意識を高め、骨粗しょう症予防に努めてください。
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