【Cure 検査のおはなし】骨塩量検査
骨塩量(骨密度)に加え、筋肉量も測定できる骨粗しょう症の検査。
01 迅速、かつ、測定精度の高い検査装置を導入。
骨粗しょう症の診断・治療には、まずは骨塩量(骨密度)を測定する検査が必要です。骨塩量とは、骨を構成するカルシウムなどのミネラル成分が、骨の中にどれほど詰まっているかを示すもの。その程度を明らかにするのが骨塩量検査です。
撮影法は、腰椎と大腿骨頸部に、2種類のX線を照射し、骨による吸収の差を利用して、骨塩量を測定します。この検査法は、迅速かつ精度の高い測定ができ、骨塩量測定の標準とされるもの。時間は10分程度で、X線の被曝量は極めて少なく、検査時に痛みなどは一切ありません。
02 サルコぺ二ア、フレイルを予防するのに役立つ骨塩量検査。
当院では、超高齢社会の課題を見据え、いち早く骨塩量測定装置を導入しました。この装置の大きな特長は、骨塩量とともに、筋肉量を同時に測ることができる点にあります。筋肉量とは、自分の体についている筋肉組織の重さのことです。筋肉量が不足してくると、筋力・身体機能が低下するサルコペニアとなり、健康障害を引き起こしやすくなります。さらに、介護を必要とする前段階であるフレイルをも引き起こします。
骨粗しょう症の要因となる骨塩量を改善するのも、筋肉量を増やすのも、高齢になると簡単にできることではありません。転倒やいつの間にか骨折などを防ぐ、ひいては健康寿命を延ばすために、自分の体、骨について知っておくことはとても大切です。
【Message】定期的な検査で「骨卒中」を防ぎ、生活の質を保ちましょう。
「骨卒中」という言葉をご存じですか。高齢者の骨折は骨卒中とも言われ、脳卒中と同様に生命を脅かすものと考えられるようになってきています。骨塩量や筋肉量が減少していると、一回の骨折によって長期の寝たきりになる可能性も否めません。
サルコペ二ア、フレイルになる前には、食が細くなった、歩幅が小さくなった、また、歩く速度が遅くなったなどの変化が現れます。特に女性は、閉経を迎えると、骨を守っているホルモンが急激に減少するため、半年に1回は骨塩量、筋肉量の測定をお勧めします。気になる方は主治医にご相談の上、検査を受けましょう。