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  • 腱膜性眼瞼下垂症
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【Cure 病気のおはなし】腱膜性眼瞼下垂症(けんまくせいがんけんかすいしょう)

まぶたが垂れ下がり黒目を覆う病気。加齢によって出てくる症状で、基本治療は、外科的手術です。

01 物が見え難い、まぶたが重い…。頭痛や肩こりも生じます。

年配の方で、「まぶたが垂れ下がり、目を覆うようになってきた」と、思うことはありませんか?併せて、見え難い、まぶたが重い、頭痛や肩こりがする、眉の位置が上がってきた、額のシワが深くなったといったことを感じているなら、それは「腱膜性眼瞼下垂症」かもしれません。

腱膜性眼瞼下垂症は、まぶたを上げる腱膜(膜状に広がった腱)や筋肉、神経の異常によるもので、まぶたを上げ下げするときに機能する眼瞼挙筋腱膜や瞼板、挙筋腱膜といった組織が、加齢によって外れたり、伸びたり、あるいは、薄くなったり、途中で切れたりすることで起こる症状です。多くは両目に起こりますが、片目だけの場合もあります。

02 手術により、下がったまぶたを持ち上げることができます。

腱膜性眼瞼下垂症の治療は、まずはまぶたの筋機能検査のための検査、必要に応じてCT、MRIによる頭部の検査、血液検査なども行い、まぶたの状態を詳しく調べていきます。

その上で、治療は外科的手術が基本となります。まつ毛の上を切り腱膜を短くする、代用組織を移植する、また、上まぶたの皮膚の一部を切除し、まぶたを開けるのに抵抗する組織を取り除くなど、症状や状態、あるいは、軽症か重症かによっても術式は変わりますが、患者さん一人ひとりに最適の手術を行っていきます。

手術後、個人差はありますが、1週間程度はまぶたに腫れが生じるものの、激しい腫れは2~3日で引き、その後、数カ月で完全に回復へと向かいます。

【Message】手術による治療で、より高い「視覚の質」が得られます。

腱膜性眼瞼下垂症の治療では、手術で上まぶたの余った皮膚の一部を切除し、腱膜を前転固定します。形成外科においては、比較的簡単にできる手術であり、見やすさが大きく変わります。

クリアな視界、良い見え方など、それまでとは異なる「視覚の質(クオリティ・オブ・ヴィジョン)」を獲得することができ、患者さんの得るメリットは高いと思います。まだまだ一般的な方の認知度は高くありませんが、日帰りや一泊での手術が可能です。気になる方はかかりつけ医にご相談の上、形成外科への紹介をお受けになることをおすすめします。