Beyondキャンペーン
病院の〈知識〉を生活者の〈知恵〉へ
早期に発見できれば乳がんは治る病気。
最新の3Dマンモグラフィを導入し、乳がんの早期発見・早期治療に力を注ぐ。
手術、放射線、薬物療法を組み合わせて総合的に治療。
「頑張りましたね。早く見つかって、本当に良かった」。この日、西尾市民病院で乳がんの手術を終えて退院する女性に、乳腺外科医の和田応樹副院長は心から労いの言葉をかけた。
この女性は1カ月ほど前に、同院で乳がん検診を受けた。エコー検査でははっきり見えなかったが、3Dマンモグラフィ(乳房X線)撮影で右側の乳房に、粒状の白い影(石灰化)を発見。組織の検査で、乳がんであることが判明した。女性は迷うことなく手術に同意し、右側の乳房部分切除術を実施することになった。乳がんのこわいところは、がんがリンパ管や血管へ入って全身をめぐり、他の臓器などへ転移することだ。そこで、リンパ節転移がある場合、リンパ節を完全に切除することが重要になる。そのため今回も、手術中にわきの下のリンパ節の組織を採取して検査したが、幸い、転移はなし。体への負担を最小限にして手術を終えることができた。退院後は再発予防のために、放射線治療とホルモン療法を行う予定だが、「早期に手術できたので、再発のリスクはかなり少ないだろう」というのが、和田の見立てである。
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