【知っておきたい地域医療事情】一次脳卒中センター

今回の【知っておきたい地域医療事情】では、「一次脳卒中センター」についてご紹介します。
一刻を争う脳卒中の治療。地域全体が連携し、脳卒中に対応する体制づくりが進められています。
脳卒中患者を24時間365日受け入れる一次脳卒中センター。
脳卒中は脳の血管が詰まったり破れたりして、脳に血液が流れなくなる病気です。そのままにすると脳細胞が壊死してしまうため、できる限り早く治療することが重要です。そのため、救急隊と病院が連携し、速やかに診療を開始することを目的に、脳卒中学会認定の一次脳卒中センター(PSC)が全国各地で整備されています。
一次脳卒中センターは脳卒中患者さんを24時間365日受け入れ、 脳の血管が詰まる脳梗塞に対してt-PA による血栓溶解療法を速やかに開始するほか、必要に応じて外科的治療にも対応し、迅速な脳卒中治療に力を尽くしています。
一次脳卒中センターの中心的な役割を担う、コア施設。
一次脳卒中センターの中心的な役割を担う施設として、一次脳卒中センターコア施設が認定されています。コア施設は、脳血管内治療専門医と脳血栓回収療法実施医が合計3名以上常勤し、t-PA治療に加え、カテーテルによる血栓回収治療を24時間365日行うことができる施設です。
岐阜圏域では、岐阜市民病院、羽島市民病院、東海中央病院、松波総合病院が一次脳卒中センターの認定を、岐阜大学医学部附属病院、朝日大学病院、岐阜県総合医療センターがコア施設の認定を取得。これらの施設が協力し、脳卒中患者さんの命を救うと同時に、後遺症を軽減できるように全力を注いでいます。
岐阜県総合医療センターでは?
2024年4月、一次脳卒中センターコア施設の認定を取得。地域の脳卒中医療の中核として、高度な医療提供をめざしています。
当センターでは以前より、一次脳卒中センターとして24時間365日、脳卒中患者さんを受け入れてきました。さらに2024年にコア施設の認定を受け、これまで以上に大きな責任を自覚し、t-PA治療やカテーテル治療の迅速な提供に取り組んでいます。
脳卒中治療の医師体制は、脳神経外科医6名、脳神経内科医5名、救急医1名の合計12名を配置。1名以上が当センターに常駐し、24時間365日の脳卒中治療を可能にしています。また当センターでは、コア施設の認定に伴い、新たに〈脳卒中相談窓口〉を開設しました。この窓口では脳卒中治療の専門医をはじめ、脳卒中に精通した看護師、医療ソーシャルワーカーが、患者さんとご家族の相談に応え、退院後に必要な治療や福祉サービスが受けられるよう支援しています。
脳神経外科部長・脳卒中治療科部長
村瀬 悟

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