【知っておきたい地域医療事情】がんゲノム医療連携病院
今回の【知っておきたい地域医療事情】では、「がんゲノム医療連携病院」についてご紹介します。
次世代のがんの個別化治療の一つ、がんゲノム医療。 日本全国どこでも受けられる体制づくりが進んでいます。
一人ひとりの体質や病状に合わせた治療薬を選択する。
遺伝子は、私たちの体を作る設計図であり、その設計図全体をゲノムといいます。そして、遺伝子情報に基づく個別化治療の一つが、がんゲノム医療。がんの原因である遺伝子異変を明らかにし、一人ひとりの体質や病状に合わせた治療薬を選択していきます。
遺伝子解析技術の進化に伴う遺伝子変異の発見は著しく、国は、がんゲノム医療中核拠点病院(がんゲノム医療を牽引し診療や臨床試験、治験や新薬などの研究開発を行う)をはじめ、がんゲノム医療拠点病院、がんゲノム医療連携病院を定め、日本全国どこにいてもがんゲノム医療を受けられる体制の構築をめざしています。
検査、カウンセリング、臨床情報の収集・管理などを担う。
がんゲノム医療連携病院は、中核拠点病院や拠点病院と連携し専門的ながんゲノム医療の提供に力を注ぎます。例えば、一度に100以上の遺伝子を調べるがん遺伝子パネル検査、特定の分子標的薬の効果や副作用をあらかじめ調べるコンパニオン診断をはじめ、遺伝カウンセリングの実施、適切な臨床情報等の収集・管理・登録等など。
2024年1月1日現在、岐阜県には、大垣市民病院・岐阜県総合医療センター・岐阜県立多治見病院・岐阜市民病院・岐阜大学医学部附属病院・中濃厚生病院・中部国際医療センター(50音順)の7つのがんゲノム医療連携病院があります。
岐阜県総合医療センターでは?
中核拠点病院とともに、患者さん、地域医療機関に負担をかけず、 検査、遺伝カウンセリングなど、がんゲノム医療の提供に尽力。
当センターは、2020年より中核拠点病院(名古屋大学医学部附属病院)と連携し、がんゲノム医療を行っています。対象は、標準的な治療がない、標準治療が終わっても効果が乏しい、化学療法に耐え得る全身状態といった患者さん。がん遺伝子パネル検査、コンパニオン診断を進めると同時に、中核拠点病院が開くエキスパートパネル(専門家会議。検査の解析結果の意義づけと治療法を検討)に出席。患者さんの治療法を決定させています。
また、遺伝カウンセリングにも尽力し、遺伝に関わる問題に対し、認定遺伝カウンセラー®が化学的根拠に基づく情報をご提供。地域の病院には、前述の検査とともに、遺伝カウンセリングのみのご利用も可能です。なお、当センターは、日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構の協力施設であり、現在は連携施設をめざして申請中です。
副院長・高度先端医療部部長
荒井正純
【ダイジェスト動画はこちらから】
病院・クリニックからの
TOPICS一覧
-
【NEWS & TOPICS】2024 健康祭開催2024年10月31日
-
【知っておきたい地域医療事情】小児救急医療拠点病院2024年10月31日
-
【院長メッセージ】2024年10月発行号2024年10月31日
-
【知っておきたい地域医療事情】がんゲノム医療連携病院2024年02月14日
-
【未来を見つめて・ここから一歩!】患者さんや仲間から、 信用を得られるプロをめざして。2024年02月14日
-
【院長メッセージ】2024年2月発行号2024年02月14日
-
【WEB開催・参加無料】岐阜県総合医療センター健康祭2023を開催します。 ぜひご参加ください!2023年10月30日
-
【知っておきたい地域医療事情】がん診療連携拠点病院2023年10月30日