【知っておきたい地域医療事情】がん診療連携拠点病院
今回の【知っておきたい地域医療事情】では、「がん診療連携拠点病院」についてご紹介します。
国内のどこにいても、同レベルのがんの専門医療を受けられるために整備されたがん診療連携拠点病院。
都道府県知事が推薦し、厚生労働大臣が認め指定する病院。
我が国では、がん医療の均てん化、すなわち、都会にいても地方にいても、同じレベルの標準的な専門医療を受けられるよう、全国に456カ所の「がん診療連携拠点病院」が配置されています。令和5年4月時点では、都道府県がん診療連携拠点病院51施設・地域がん診療連携拠点病院357施設・特定領域がん診療連携拠点病院1施設・地域がん診療病院47施設。
また、小児・AYA世代(思春期・若年成人世代)に対しては、全国に小児がん拠点病院15施設・小児がん中央機関2施設の計17カ所。国が定める指定要件を満たし、都道府県知事が推薦する病院に対して、厚生労働大臣が認め指定した病院です。
専門的がん医療と地域連携と患者支援を果たすために。
がん診療連携拠点病院は、専門的ながん医療の提供、地域のがん診療の連携協力体制の整備、患者さんや住民への相談支援や情報提供などを行っています。
このなかで都道府県がん診療連携拠点病院は、都道府県単位での、いわばがん医療のリーダー的な役割。地域がん診療連携拠点病院は、地域に密着し、比較的身近なところで専門的ながん診療を提供。特定領域がん診療連携拠点病院は、特定のがんにおいて都道府県内での拠点的な役割。そして、地域がん診療病院は、拠点病院のない地域で基本的ながん診療を提供します。
また、小児がん拠点病院等・小児がん中央機関は、小児のがんへの医療や各種支援を提供し、長期間に亘りフォローアップします。いずれの病院においても、原則、地域医療機関からの紹介により、がん患者さんを受け入れています。
岐阜県総合医療センターでは?
「患者さんに木曽川を越えさせない」がん医療に注力。
当院は、2005年に、岐阜県の岐阜医療圏における地域がん診療連携拠点病院の認定を受けました。そして、2023年には、患者サポートや地域連携により重点が置かれた、新しい認定条件が出されましたが、これに対しても再認定を受けることができました。
当院は、初認定の翌年には、がん医療の中心的役割を担う「がん医療センター」を設置。緩和ケアチーム・がん相談支援センター・化学療法部・放射線治療部・緩和ケア外来・キャンサーボード・がん登録室を設け、組織横断的な領域において、スタッフが各部署と協力し、活動を行っています。また、2023年度は、最新の治療機器を揃えた放射線療法と、遺伝子(ゲノム)医療のための新棟整備計画が進行中。がん医療のさらなる高度化に全力を注いでいます。
がん医療における私の信念は、住み慣れた地域で充実したがん医療が受けられるよう「患者さんに木曽川を越えさせない」。がん医療の進化に、真正面から挑み続けていきます。
がん医療センター長
國枝克行
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