【知っておきたい地域医療事情】地域連携パス
今回の【知っておきたい地域医療事情】では、「地域連携パス」についてご紹介します。
病院とかかりつけ医が連携して患者さんを支えるために疾患ごとの「地域連携パス」が運用されています。
岐阜県下の病院と診療所が、診療計画を共有。
病気の治療は、手術などを終えて退院した後も続きます。そのため、専門的・集中的な治療を行う病院と地域の診療所が連携し、診療計画を共有して治療していくことが重要になります。その連携を助けるツールとして作られているのが、疾患ごとの「地域連携パス(診療計画書)」です。
岐阜県下では2006年、岐阜市医師会を中心に地域連携パスの運用がスタート。急性心筋梗塞や大腿骨頸部骨折、脳卒中、がんなど、日本人に多い主な疾患について、それぞれ地域連携パスが運用されています。
6種類のがんに運用されている「地域連携パス」。
がんについては、肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、乳がん、前立腺がんの6種類の岐阜県地域連携パスがあり、5年間にわたって記録できるように、岐阜県内で地域連携パスの様式が統一されています。
患者さんは退院後、これまでの治療情報が書かれた連携パスをかかりつけ医に持参し、手術後の経過や今後の診療計画を確認。その後、かかりつけ医や病院を受診するたびに連携パスを提出し、診察所見や検査結果、体調などを記入していきます。このように連携パスを介して、患者さんとご家族、病院の医師とかかりつけ医が情報を共有していきます。そして、診察や検査、治療、経過観察など共通化された計画に沿って、がんの治療をスムーズに継続していく仕組みになっています。
岐阜県総合医療センターでは?
呼吸器外科と呼吸器内科、地域医療連携部が協力して、 肺がん地域連携パスの運用を進めています。
岐阜県総合医療センターでは、現在、18種類の連携パスを運用しています。肺がんについては、2013年度から運用に取り組み、2022年6月までの運用実績は180件にのぼります。
連携パスの適用については、手術を担当した呼吸器外科の主治医が判断。その上で、抗がん剤治療や放射線治療に関わる呼吸器内科の医師が協力し、運用を進めていきます。患者さんとご家族への説明は、地域医療連携部・連携パス推進室のスタッフ(看護師)が担当。パンフレットをお見せして、連携パス(5年間の診療計画書)の使い方などをわかりやすく説明させていただきます。
肺がんの治療は長期にわたります。連携パスを用いることによって、患者さんが自己判断で受診をやめることなく、前向きに治療に取り組めるよう支えていきたいと思います。療養中の不安や悩みなどがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
総合サポートセンター
地域医療連携部
上席看護師長 村瀬明子
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