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〒500-8717 岐阜県岐阜市野一色4-6-1
TEL:058-246-1111
岐阜県総合医療センター

【知っておきたい地域医療事情】救急医療体制

今回の【知っておきたい地域医療事情】では、「救急医療体制」についてご紹介します。

一次から二次、三次まで。重症度に分けた救急医療体制が構築されています。

市区町村・複数市区町村・都道府県単位で対応。

我が国の救急医療は、患者さんの重症度により、3段階に分けて救急医療機関が対応する体制がとられています。まずは、一次(初期)救急医療機関。入院治療の必要がなく、帰宅可能な患者さんを受け入れます。原則は市区町村単位で、休日夜間急病センターなどがあります。入院治療が必要な中等症・重症患者さんに対応するのは、二次救急医療機関。複数の市区町村の範囲を担い、病院群輪番制病院、協同利用型病院があります。そして、生命の危機に瀕する、また、複数の診療科領域に亘る重篤患者さんを対象とする三次救急医療機関。原則、都道府県単位で整備され、救命救急センターや高度救命救急センターが対応しています。

岐阜県は二次医療圏ごとに、二次と三次の救急病院を整備。

岐阜県では、二次医療圏(岐阜・西濃・中濃・東濃・飛騨)ごとで、救急医療が完結する体制づくりと、三次救急医療体制の整備に取り組んできました。現在では、二次救急医療機関は、各医療圏で人口10万人あたり2カ所以上、救命救急センターも二次医療圏ごとに整備されています。結果、救急患者さんの掘り起こし(救急対応が可能な患者さん増加)となりましたが、そのぶん、病院への搬送時間の増加傾向に繋がっています。

岐阜県総合医療センターでは?

ER型の救命救急センターとして、24時間、重症度を問わず対応しています。

当センターは、岐阜医療圏の三次救急に対応する〈救命救急センター〉に指定されていますが、〈断らない救急〉〈地域の最後の砦〉という考えに基づき、疾患や重症度を選ばず(精神科疾患は除く)365日24時間、すべての救急患者さんを診療するER型救急医療体制を取り、救急車搬送件数は年間約5,700台、救急外来受診者は約27,300人を数えます(2019年度)。

救命救急センターには、同センター外来、救命病棟(ICUを含む)を備え、救急専任医師、内科系・外科系・小児科系の担当医師(平日昼間)、研修医を配置しています。また、麻酔科医や産婦人科医、内科系・外科系の専門診療科医は、24時間の呼出し体制。各種専門医療スタッフを含め、緊急手術も常時行うことが可能です。

さらに、複数科に亘る重症症例では、診療科同士が緊密に連携し治療にあたるなど、病院全体が〈断らない救急〉〈地域の最後の砦〉を自認し、日夜、奮励を重ねています。

副院長兼救命救急センター長
豊田 泉