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  • 先天性心疾患(小児)
  • 子供

【私たちの検査・診断】胎児心エコー

妊娠中に心臓の異常を発見し、出生後の治療の準備を始めます。

01 お腹の赤ちゃんの心臓を調べることに特化した検査です。

胎児心エコーは、妊娠中のお腹に超音波を当てて、胎児の心臓に問題がないかを評価する検査です。

胎児のエコーというと、妊婦健診で行われる検査がなじみ深いと思います。近年、産科で用いられるエコーの画像は飛躍的に進歩し、赤ちゃんの顔の表情や指の1本1本までリアルに確認することができ、お母さんにとって赤ちゃんの成長を実感できるうれしい機会にもなっています。これに対し、小児循環器内科で用いるエコーは心機能の観察に特化しているため、グラフィカルな画像は見られませんが、血液の流れやスピードまで詳しく調べることができます。赤ちゃんに心臓病の疑いがあるかないかを確認し、疑いがある場合にはその種類や重症度を診断します。

02 胎児心エコーの目覚ましい進化により心疾患を早期に発見。

昔は、赤ちゃんの心臓病は出生後に初めて見つかるのが一般的でした。しかし、今では多くの場合、胎児の頃から心臓の異常を見つけることができ、重症な先天性心疾患の6〜7割は妊娠中に診断できるようになりました。その背景にあるのが、胎児心エコーの技術の進化です。

心臓の大きさは、健康な人でだいたいその人の握りこぶし大。胎児の場合、心臓の大きさはわずか3センチ程度になりますが、近年の胎児心エコーではその小さな心臓の4つの部屋の様子まで細かく観察することができます。ただし、お腹の外から行う検査なので、100%正しく診断できるわけではありません。病気の疑いがある場合、出産後改めて詳しく検査することになります。

【Message】ご家族が安心して出産の準備ができるように支えます。

胎児心エコーで「赤ちゃんが心臓の病気かもしれない」と診断されることは、ご両親にとって非常につらいことだと思います。その現実を受け入れるには時間がかかるかもしれませんが、私たちはその間も丁寧に説明をし、治療方法についてしっかりお伝えすることを大切にしています。

また、胎児の段階で心臓の異常が見つかっても、治療する必要のないケースや自然に治癒していくケースもあります。情報が少ないと不安が募りがちですが、その不安を少しでも和らげることが重要です。そして、ご家族が安心して出産に向けた準備を進め、出生後も落ち着いて子育てに取り組めるよう支援することが、胎児診断の重要な役割だと考えています。




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