【私たちの診断機能】がんゲノム医療における病理診断
細胞レベルで最終診断を下し、より適切ながん治療への道を開きます。
01 がんの悪性度や予後、遺伝性腫瘍の可能性、遠隔転移の原発不明がんを特定。
病理とは、病気の本態や原因、転帰(治療における症状の経過や結果)を明らかにする学問です。その見知から特定の疾患や状態を判定することを、病理診断といいます。具体的には、臓器の一部を組織標本にし、その細胞の形を顕微鏡で調べ、細胞で何が起こっているのかを明らかにします。
がんの場合でも、悪性度や予後、また、遺伝性腫瘍の可能性が解るのはもちろん、原発不明がんの遠隔転移も、細胞から発現する物質を検出することで、莫大な蓄積データに照らし合わせ、腫瘍全体の由来組織、すなわち原発部位を立証。臨床(診察や治療を行う現場)に活かせる情報として、各診療科医師に提供しています。
02 検体の情報を最大限に引き出すために、院内での検査解析をめざす。
がんゲノム医療では、がん遺伝子パネル検査、コンパニオン診断の検査がありますが、当センターをはじめがんゲノム医療連携病院は、検査の解析は外部の大学や研究機関に依頼しています。
それに対し、病理診断科は、院内で検査解析が実施できる体制づくりを目標としています。まずは、特定の分子標的薬の効果や副作用をあらかじめ調べる重要な検査、コンパニオン診断の検査。解析機器を整備し院内で行うことにより、解析期間の短縮化を図るとともに、解析における柔軟な対応が可能となります。結果、患者さんの大切な検体の情報を最大限に引き出すことに繋がり、今以上に、診療活動への貢献が高まるものと考えています。
【Message】チームの総合力で、 がんゲノム医療をさらに進化させる。
がんゲノム医療において、医師の立ち位置はそれぞれ異なります。一つの専門領域に特化し、診療すべてのオペレーションを担う臨床医に対し、正確な治療を行うために細胞レベルでの最終診断を下す病理医。また、人体の画像情報の全体を見る放射線診断医と、その実態を細胞レベルで見る病理診断医など。どれか一領域の専門医だけでは成立せず、チームの総合力があってこそ、がんに対峙することが可能です。
チームでいえば、臨床検査技師、診療放射線技師にもより専門特化した領域の資格があり、当センターでは挑戦を続ける人材がいます。そうした全員の力を結集し、がんゲノム医療のさらなる進化をめざします。
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