【私たちの治療】高精度放射線治療

岐阜県初のがん放射線治療機器導入をはじめ、環境、人材を拡充し、高精度な放射線治療を。

01 放射線治療は、今や治癒をめざした根本的な治療も可能に。

がん治療における放射線治療とは、簡単にいうと、がん細胞に放射線を照射することで遺伝子に傷を付け、がん細胞を死滅させるというものです。手術と同じく局所的な治療方法であり、治癒をめざした根本的な治療、症状緩和のための治療など、幅広く適用が可能です。

今日における放射線治療の主流は、病巣に対して正確に放射線を照射する、高精度放射線治療です。定位放射線照射（STI）と強度変調放射線治療（IMRT）の二つがあり、STIは、病巣に対し多方向から放射線を集中させる方法、IMRTは、放射線の強さに強弱をつけ、腫瘍に対し集中的に照射を行う方法だけでなく、周囲の正常組織を最小限度に抑え込む方法です。

02 最高水準のがん治療を、岐阜県内で完結できる環境・設備が整う

高精度放射線治療には、専用の治療機器が必要です。そのため当センターでは、2024年に新たに南館を開設し、治療環境、設備の拡充を図りました。

まず、STIに対応するサイバーナイフは、高精度のロボットアームに小型のリニアック（X線や電子線を発生させる装置）を搭載した装置で、岐阜県で初の導入です。IMRTへの対応にはラディザクトを活用。患者ベッドをコンピュータ制御で移動させ、小型リニアックがリング内を回転します。加えて、短時間での照射が可能なリニアック汎用機も更新。これらの装置導入により、すべてのがん種に対し、国内における最高水準の放射線治療を、岐阜県内で完結させることができます。

【Message】治療後、どれだけ質の高い生活をお送りいただけるか。ここに焦点を当てています。

放射線治療部の拡充には、正常組織への副作用（有事事象）の低減、手術療法に置き換わる根治的治療、高精度の緩和照射確立という３つのポイントがあります。言い換えると、高齢の方を含めた患者さんが、放射線治療後、どれだけ質の高い生活を送ることができるかに焦点を当て、環境、設備機器の整備を図ったものです。

設備機器以外にも配慮を施しました。例えば、治療後に使われる回復室は、独自に一部屋を用意。特に、緩和照射目的の紹介患者さんが、負担なく、一日を有効的にお使いいただけることと思います。加えて、放射線腫瘍医、専従看護師、診療放射線技師、医学物理士らを増員し、一丸となって患者さんを支えていきます。

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