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【私たちの治療】早産予防プロトコール

予期せぬ破水や早産を防ぎ、元気な赤ちゃんを迎えるようサポートします。

01 妊娠の早い段階から早産リスクをしっかり評価する。

早産(妊娠22週〜37週未満の出産)で生まれた赤ちゃんは、お母さんのおなかの中での発達が不充分のため、呼吸障害や神経発達に大きな影響を及ぼすことがあります。とくに早い週数で生まれるほど、命に関わる重大なリスクを持つ可能性が高くなります。

早産を予防するために当院が進めているのが、〈早産予防プロトコール〉。プロトコールは治療計画という意味です。妊婦さんの過去の妊娠経過、妊娠初期の検査や診察所見から、それぞれの早産リスクを評価。早産歴のある人や多胎妊娠など早産リスクが高いと判断される場合は、早い段階から〈早産予防プロトコール〉にそって特別な治療や対策を講じていきます。

02 膣内の感染と炎症を防ぎ、早産に対する予防管理を行います。

早産の最大の原因は、細菌による感染症だと考えられています。腟内の細菌のバランスが崩れ、膣炎や子宮
頚管炎(子宮の入口にできる炎症)が起こります。やがて赤ちゃんを包む卵膜(絨毛膜羊膜:じゅうもうまくようまく)に炎症が広がると、破水しやすい状態になり、早産しやすくなります。

そうなる前に当院では、膣内の感染や炎症を見つけ出し、早期から感染を予防し、炎症を抑える治療を実施。そのほか、患者さんのリスクに合わせた対策を行うことで早産を実際に減らすよう努めています。もちろんすべての場合で早産を予防できるわけではありませんが、早産リスクが高い人において一定の効果を上げています。

【Message】出血が持続する方や前回、早産した方は必ずご相談ください。

早産の原因や治療はまだわからないことも多く、現在も研究を続けているところです。そのなかで、早産リスクについてはかなり明らかになってきています。まず、妊娠初期に出血を繰り返している方は非常にリスクが高いことがわかっています。その他、前回の妊娠で切迫早産や早産になった方、破水や感染の流産になった方もハイリスクになります。

こうした方々はかかりつけの先生にご相談の上、早産予防管理を行っている高度医療機関を受診する必要があります。当科では膣内の感染や炎症に対し最新の治療を行うことにより、妊娠期間を延長し、元気な赤ちゃんを迎えられるよう全力でサポートしています。