Beyondキャンペーン
病院の〈知識〉を生活者の〈知恵〉へ
妊娠22週を超え、 小さな命を救う闘い。
妊娠週数をできるだけ延ばし後遺症なき出産をめざす。
800グラムで生まれた小さな赤ちゃん。
この日、岐阜県総合医療センターの新生児集中治療室を訪ねると、保育器に入った赤ちゃんが懸命に生きようとしていた。小さな体には人工呼吸器のチューブや点滴の管が取りつけられ、危険を知らせるアラームが鳴るたびにスタッフが駆けつけた。
この赤ちゃんは、3週間前に同院の産科・胎児診療科で生まれた超低出生体重児である。生まれたときの体重はわずか800グラムだった。最初に母親が同院を訪れたのは、妊娠18週目。突然、破水し、救急搬送されてきた。破水すると、羊水がゼロになり、赤ちゃんは息ができなくなる。すぐさま子宮内の細菌検査が行われ、生理食塩水を温めて子宮に入れる〈人工羊水注入療法〉が行われた。それから1週間に1度、炎症が起きて汚れた羊水を洗い流し、新しい人工羊水を注入する処置を繰り返し、何とか妊娠期間を延長。妊娠26週目に帝王切開が行われたのである。
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