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【心房中隔欠損症(ASD)の治療】体に負担の少ないカテーテル治療も可能です。

心房中隔欠損症と確定診断された場合、条件を満たせば、体に負担の少ないカテーテル治療を受けることができます。

心房中隔欠損症の診断方法は?

心房中隔欠損症は、新生児期や乳幼児期に症状が現れることはほとんどありません。そのため、乳児検診や学校心臓検診などで発見されることが多い病気です。聴診で心雑音(心臓の鼓動と調和しない雑音)が認められたり、心電図(心臓の電気的な活動の様子を記録する検査)で異常が見つかるなどして、心房中隔欠損症が疑われるようになります。

心房中隔欠損症の確定診断は、心臓超音波検査(心エコー:胸に超音波を当て心臓の状態を見る検査)で行われます。この検査で、欠損孔の大きさと位置、それに伴う心腔の拡大の有無などを判定します。ほかに心臓の異常が存在するかどうかも診断できます。

心房中隔欠損症の治療方法は…。

心房中隔欠損が小さく、合併する心疾患もない場合は、治療は必要ありません。

カテーテル治療を適用するかどうかは、穴の大きさや位置などによって決まります。穴が大きすぎたり、位置が片方に偏っている場合、そのほかに合併症がある場合などは、外科手術を行います。穴の大きさや位置が適切で、体重が15キロ前後以上の場合はカテーテル治療が選択されます。

体に負担の少ない経カテーテル閉鎖術。

経カテーテル閉鎖術は、太ももなどの血管からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入して、穴を閉鎖する治療法です。閉鎖する器具は、2枚の形状記憶合金の円盤がくっついたような形をしています。これで心房中隔を挟み込むようにして欠損孔を閉鎖します。治療時間は、約2時間程度。経カテーテル閉鎖術のメリットは、胸にメスを入れる必要がなく、体に負担の少ないこと。痛みも少なく、傷跡もほとんど残りません。

岐阜県内では、小児に対する経カテーテル閉鎖術を行っている病院は、岐阜県総合医療センターだけになります。そのため、当院では滋賀県など県外からの患者さんも積極的に受け入れています。小児循環器内科では、経カテーテル閉鎖術を毎年10例以上行い、豊富な実績を重ねています (2016年度実績:年間12例)。なお、この治療ではごく稀に、留置した閉鎖栓がずれたり、外れたりするケースが報告されていますが、当院ではそうしたことのないよう、安全確実な治療を心がけています。

人工心肺を用いて行う心臓外科手術。

心房中隔の穴の大きさや位置、合併症などによって、外科手術をおすすめしています。これは、人工心肺という装置を使って手術が行われます。まず胸を切開し、人工心肺を使用して心臓を止めてから、心房中隔の穴を直接縫合したり、パッチというあて布を用いて閉鎖します。

当院では、小児心臓外科において、小児の心臓手術に熟達した専門医たちがチームを組んで、安全確実に心房中隔欠損閉鎖術を実施し、良好な治療成績をあげています (2020年度実績:年間12例)。なお、外科手術の場合、体重が小さくても治療が可能です。

参考文献・出典など
岐阜県総合医療センター
日本心臓財団「子どもの心臓病とは」

画像提供:PIXTA