地域包括ケア病棟
今回の【地域医療の豆知識】では、「地域包括ケア病棟」についてご紹介します。
病気やけがをした患者さんが、無理なく安心して自宅や施設に戻る。そのための準備を支援する病棟です。
地域包括ケア病棟は、平成26年度の診療報酬改定で新設された病床機能です。背景にあるのは、急速に進む我が国の超高齢社会です。
厚生労働省は、高まる医療と介護の需要を見つめ、高齢になっても住み慣れた地域で暮らせるように、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を推進。そこにあって地域包括ケア病棟は、医療と介護、施設と在宅機能が連携し、患者さんがより早く在宅に戻れるよう支援する地域のための機能として位置づけられています。
具体的な役割には、①急性期治療(濃厚で積極的な治療)を経過した患者さんの受け入れ/病状は安定しても、すぐに在宅に戻るのが心配な患者さんに、引き続き治療やリハビリテーションを行う。
②在宅で療養する患者さんの受け入れ/急に具合が悪くなった患者さんを緊急に受け入れる。
③在宅復帰支援/①・②の患者さんに対して、自宅や介護施設での生活を見つめ、看護・介護に関する指導などを行う。
なお、入院期間は、最長で60日と定められています。
病室やスタッフが変わっても、患者さんに寄り添う気持ちは私たちも同じです。
当院の地域包括ケア病棟では、主治医、看護師、専従のリハビリスタッフ、各領域の認定看護師、さらに、MSW(医療ソーシャルワーカー)らが協力し、患者さんの在宅復帰に向けた相談、準備を行っていきます。
急性期病棟の患者さんやご家族のなかには、スタッフも病室も変わることから、地域包括ケア病棟への転棟に二の足を踏む方もいらっしゃいますが、患者さん・ご家族を支え、寄り添い、無理のない在宅復帰を見つめる思いは、どの病棟でも変わりはありません。より円滑に元の生活に戻っていただけるよう、全力で支援を行います。どうかご安心いただければと思います。
また、入院期間は最長60日ですが、準備さえできればいつでも在宅に戻っていただくことができます。一日でも早い復帰を、一緒になってめざしていければと思っています。
また、この病棟では、在宅で介護を続けているご家族が、少し休憩をするために患者さんをお預かりする、レスパイト入院も行っています。介護は自分だけで、家族だけでしなければと思い込まず、どうぞご利用ください。
なお、当院の地域包括ケア病棟は、院内の急性期病棟からの転棟が大半ですが、今後は、在宅療養中の方の受け入れも視野に入れ、地域のための病棟として、より充実することができればと考えています。
【西尾市民病院 地域包括ケア病棟(5階西病棟) 看護師長 市川郁代(地域包括ケア病棟師長)】
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