LINKED 地域医療ソーシャルNEWS
WEBマガジン

サイト内検索

〒470-022 愛知県みよし市三好町八和田山15番地
TEL:0561-33-3300
みよし市民病院

【地域医療を知ろう】人生会議(ACP=アドバンス・ケア・プランニング)

今回の「地域医療を知ろう」では「人生会議(ACP=アドバンス・ケア・プランニング)」についてご紹介します。

最も望む形で最期を迎えられるようにする。人生会議(ACP)の目的はそこにあります。

「ACP」とは、Aはアドバンス=前もって、Cはケア=お世話になること、Pはプランニング=計画することを言います。これは、人生の最終段階に、自分がどのような医療やケアを望むかを、前もって考え、信頼する人たちと繰り返し話し合う取り組みで、「人生会議」という名のもと、厚生労働省が普及活動を進めているものです。
ACPの目的は、本人が最も望む形で最期を迎えられるようにすることです。ただ、最期を迎えるまでの期間には、多くの人が体力や知力が衰え、意思表示も困難になる場合もあります。そのときのために、自分の思いを、家族や友人、医療・ケアチームなどと、あらかじめ共有しておくことが必要なのです。
話し合いの進め方は、下記のチャート図に示しました。心身の状態によって気持ちは変化しますから、何度でも考え、話し合いを重ねることが大切です。

みよし市民病院では

ご本人もご家族も、納得した最期を迎えていただくために。

ACPは、ご本人が今まで歩んできた人生や生活環境を無視して考えても、あまり意味がありません。総合的な目線で一歩一歩考え、その都度話し合いをする、メモに残すといった積み重ねが大切かと考えます。まずはご本人が自分の人生を振り返り、大切な人たちに自分の考えを伝えていくことが大切です。お正月やお盆など、ご家族が集まる機会を利用するといいですね。
いつから始めるかは、たとえば、今までなかった病気を患ったとき。それまでの病気が進行し、人生の最後を、真剣に考えなければならない時期がきたとき。そして、あまり先はないとわかったときなどが、きっかけになるかと思います。
当院では、ACPへの職員の意識向上を図るため、県の講習会受講、多職種による協議、院内委員会などを活用しています。患者さんが、何かの機会で入院されたとき。また、外来診療への通院が大変になったときなどに、担当スタッフや地域包括支援センターなどの職員が、「どんなお考えですか」とお聞きすることで、ご本人やご家族が「考える」「話し合う」機会を持っていただけたらと思っています。

(病院事業管理者 成瀬 達)

画像提供:PIXTA(TOPイメージ)