みよし市民病院
【ドクター通信】思考と幸せ
人は一日に６万回も頭の中で自分と会話していると言われます。朝起きてから寝るまで自動的に何かを考えて自問自答しています。そして何か考えが浮かぶと脳幹にある脳幹網様体賦活系（のうかんもうようたいふかつけい：RAS）と呼ばれる領域で思考を取捨選択するので、良いことを考えていると次々と良いことが浮かんできて、行動もそれに伴いますが、悪いことを考えるとその反対になってしまいます。これはよく考えてみると結局、自分の周囲で起きている出来事の全ては自分の思考の投影ということになり、今見えているこの世界は、実は自分が考え続けてきたことの結果と言えます。
いつも感謝の気持ちをもって、全ての人と楽しく接し、あらゆる人の中に良いものを探し続けることが幸せへの近道になります。本当の自分は何をしたいかをいつも意識し、過去の思い込みや未来の不安は手放して、今の状況を五感（視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚）で感じて、感謝することが大切です。人生の目的はいろいろやるべきことを全てやりとげることではなく、その一つずつを楽しみながら、愛情ある暮らしを送り、幸せを感じることだと思います。一緒に一つ一つを楽しんでいきましょう。
（みよし市民病院 医局長・内科部長 濱田広幸）
画像提供：PIXTA
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