【健康管理のおはなし】温泉療法医が語る入浴について

今回の「Health Care健康管理のおはなし」は「温泉療法医が語る入浴について」についてご紹介します。
入浴は健康維持に効果的。正しく安全な方法で習慣化し、より健康な毎日を。
入浴がもたらす健康維持に重要な7つの作用。
入浴には「温熱・浮力・水圧・清浄・粘性(抵抗性)・香り・開放」の7つの作用があり、これらが相互に働きかけることで、心身の健康に良い影響を与えます。温熱作用によって血行が促進され、新陳代謝が向上。浮力の作用で身体が軽くなり、関節への負担が軽減されます。
さらに、水圧による適度な刺激がむくみを解消し、清浄作用で肌を清潔に保ちます。水の粘性によりストレッチ効果が高まり、香りのリラックス作用や入浴中の開放感が心を落ち着かせます。
毎日の入浴は、脳卒中や心疾患のリスクを軽減し、糖尿病のコントロールにも良い影響を与えるとされ、健康維持において重要な役割を果たします。
適切な温度と時間、水分補給を心がけ安全な入浴を。
入浴の健康効果を最大限得るためには、適切な温度と時間を守ることが重要です。理想的なのは40度のお湯に首まで10分浸かること。これにより、体の芯から温まり、血行が促進されます。一方、42度以上の熱湯は交感神経を刺激し、血圧が急上昇する可能性があるため注意が必要です。
また、入浴前後にはコップ2杯ずつ(合計で約800ml)の水分補給を行い、脱水を防ぎましょう。特にアルコールは利尿作用があり、血管内の脱水を引き起こすため、入浴前の摂取は避けるべきです。さらに、高齢者や心疾患のある方はみぞおちまでの半身浴を推奨し、長時間の入浴を控えることが大切です。冬場は脱衣所と浴室の温度差がヒートショックを引き起こすため、脱衣所の温度を22〜23度に保つと良いでしょう。安全で快適な入浴習慣を身につけることで、健康維持につながります。
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画像提供:PIXTA
【Message】シャワーでは得られない、入浴がもたらす本当の健康メリット。
入浴は、ただ体を清潔にするだけでなく、健康を維持し、心身を整えるための大切な習慣です。湯船に浸かることで血行が促進され、筋肉がほぐれ、ストレスの軽減にもつながります。シャワーだけでは得られないこれらの効果を、ぜひ日々の入浴に活かしましょう。さらに、好きな入浴剤やアロマを取り入れることで、リラックス効果を高め、自分に合った入浴時間を楽しむことができます。
入浴は、単なる日常習慣ではなく、生活の質(QOL)を向上させる時間でもあります。家族との団らんや、温泉旅行、ゆっくりと自分と向き合うひとときとしても活用できます。正しい入浴法を意識しながら、自分に合ったスタイルで楽しみ、心も身体も健やかに保ちましょう。
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