【療養支援のおはなし】認知症看護認定看護師
今回の「Care療養支援のおはなし」は「認知症看護認定看護師」についてご紹介します。
専門看護の実践・指導・相談を通して、認知症患者さんの毎日を守り、支えます。
認知症ケアのプロとして、看護現場のサービス力を向上。
当院には、2名の認知症看護認定看護師が在職し、急性期病棟と療養病棟のそれぞれに配属されています。認知症看護認定看護師とは、認知症に関わる専門的な知識と看護スキルを有する看護師のこと。活動内容は、大別すると三つあります。まずは、認知症患者さんやご家族に専門知識に基づいた看護を「実践」する。そして、他の看護師に認知症看護の専門知識・看護技術を「指導」する。さらには、患者さん・ご家族・看護師が抱える問題や疑問などの「相談」に乗ることです。
当院の2名の認知症看護認定看護師は専門資格を活かし、認知症に関わる看護現場のサービス力の向上に日々、努力を重ねています。
多岐にわたる取り組み、一つひとつが患者さんのために。
当院の認知症看護認定看護師は、認知症ケアにおいてさまざまな取り組みを行っています。例えば、生活リズムを整え、廃用症候群(※)の予防を目的に一日4時間の離床を推進しています。また、医師や薬剤師と協力し、認知症患者さんの経過を観察・対応する認知症ラウンドを実施し、せん妄のコントロールや薬の調整も行います。
さらに、認知症に伴う行動障害の予防や合併症への評価、安心できる療養環境の整備、ご家族への状況説明、病棟スタッフへの指導も大切にしています。
いずれにおいても、認知症患者さんの尊厳を守りながら、穏やかな生活を取り戻すことをめざしています。
※過度の安静や日常生活の不活発に伴って生じる身体的・精神的諸症状の総称
【Message】認知症への正しい理解を促す認知症講座を年4回開催。
当院では、年に4回、認知症看護認定看護師による認知症講座を開催しています。認知症や認知機能の低下が見られる方をご家族に持つと、戸惑いや不安が大きくなりがちです。「どう接すればよいのかわからない」「認知症になったら仕方がない」といった悩みや諦めに近い感情を抱えている方も多いでしょう。
認知症は、放置すると徐々に認知機能低下が進んでいきます。この講座では、認知症の基本的な理解を深めるとともに、参加者の疑問にも丁寧にお答えします。認知症は正しい知識を得るために、ぜひ当院の講座にご参加ください。また、今後は、認知症患者さんやご家族が、認知症についてより自由に相談できる場を提供し、病院外でも地域全体でのサポート体制を強化していきたいと考えています。
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