【Cure病気のおはなし】高齢者に多い骨折について
今回の「Cure病気のおはなし」は「高齢者に多い骨折」についてご紹介します。
肩、手首、大腿骨、背骨。高齢者に多い四大骨折には、充分にご注意ください。
転倒、尻もちはもちろん、それをかばう動作でも骨折。
高齢者には、注意が必要な四大骨折と呼ばれるものがあります。簡単にいうと、肩、手首、足のつけ根(大腿骨)、背中・腰の骨折です。
肩(上腕骨近位端骨折)
左右のどちらかに肩から転倒したり、手をついたりしたときに起こりやすい骨折です。
手首(橈骨遠位端骨折)
肘から手首にかけてある骨が、手をついた衝撃で骨折にいたります。
足のつけ根(大腿骨)
外側と内側の2種類あり、尻もちをついたり、体をねじって倒れたときに骨折が起こります。
背中・腰(脊椎圧迫骨折)
尻もちをつくなど、上下方向からの力が加わったときに生じる骨折です。背中の骨折では、骨粗しょう症によりいつの間にか背骨が骨折してしまう場合もあります。
痛みが治まってきたら、何より大切なのは動くこと。
肩と手首、足のつけ根(大腿骨)の場合、程度にもよりますが、治療は手術です。特に大腿骨はすぐに手術を行います。背中・腰は、複雑骨折以外、手術はあまり行わず、コルセットによる保存療法が一般的です。
骨折の治療に加え行われるのが、骨粗しょう症の治療です。服薬が中心となりますが、さまざまな新薬が出ており、相談やご要望にお応えすることも可能です。ご自分が元気でいるための治療薬として考えていただけたらと思います。
骨折による痛みが治まったら、一日のなかでやれることから積極的に取り組みましょう。それが骨粗しょう症治療、そして、次の骨折予防に繋がります。
【Message】骨粗しょう症は、骨密度だけではなく、骨の質にも関係します。
骨粗しょう症というと、皆さんがすぐに思い浮かべるのは、骨密度という言葉ではないでしょうか? もちろん、骨密度は重要です。しかし、骨の強さという観点からいうと、骨の質も大切です。例えば、どんなに硬いガラスでも、手やモノで叩くと割れてしまいますね。なぜなら、しなやかさがないからです。しなやかさが、人の骨の質にも当てはまります。
従って、骨の質と密度の両方を考えると、骨密度が高い方でも骨折してしまうのは、骨が弱いということになります。
骨の質を高めるには、運動(骨に刺激を与える)と食事、どちらも不可欠です。当院では多職種が早期に関わり、骨粗しょう症治療を進めて次の骨折予防に力を注いでいます。
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