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【Cure病気のおはなし】認知症

今回の「Cure病気のおはなし」は「認知症」についてご紹介します。

認知症は、誰でもなりうる病気。ご家族や周りの人が理解して対応することが大切。

認知機能に障害が起き生活が困難になります。

年を取ると足腰が衰えるように、脳の働きも少しずつ落ちていきます。物忘れは誰もが体験する脳の機能の衰えです。しかし「財布や通帳をしまった場所がわからなくなる」「電話を切った後、誰がどんな用事でかけてきたかが思い出せない」「出かけると家に帰る道がわからなくなる」など、日常生活に支障が出てくると、認知症の可能性が高くなります。認知症は、脳細胞の死滅や働きの低下によって、認知機能に障害が起きる状態です。わが国では、65歳以上の高齢者は人口の28%を超えていますが、このうちの約16% (約600万人)が認知症を患っていると推定されています。

安心できる接し方で不安な気持ちを支えます。

当院は平成30年、愛知県による「認知症対応病院実地指導」を全職員が受け、認知症対応力の向上に努めています。病棟では、認知症サポート医と認知症看護認定看護師(2名)を中心とした「認知症・せん妄サポートチーム」が、認知障害のある入院患者さんを支援しています。患者さんと接するときは、突然の入院で戸惑う気持ちをよく理解し、安心できる話し方を心がけています。また、適切な薬を用いて、不安を取り除き、穏やかな入院生活を送っていただくよう努めています。
外来では、予約日に来られない、薬の飲み忘れが多いといった変化を察知し、地域連携・医療相談室の職員がご家族や地域包括支援センターと連絡を取り合って支援しています。さらに、専門家の診察が必要な場合は、豊田厚生病院の専門外来に紹介しています。

【Message】ご家族の認知症で困ったら、気軽にご相談ください。

認知症は進行性の病気ですが、一度にすべての脳の働きが失われるわけではありません。ご家族や周りの人が足りないところを補い、残された機能をうまく使うことにより、自立できる期間を延ばすことができます。また、一部の認知障害については、運動したり、地域の行事や交流活動に積極的に参加することにより改善することもあります。
ご家族が認知症になって困ったときは、一人で抱えこまないで、地域包括支援センターや地域連携・医療相談室の職員にご相談ください。きっとそこから解決の糸口が見つかるはずです。なお、認知症が進行する前に、家やお金の管理、治療法の希望などを聞いておくことも大切。ご本人にエンディングノートを書いてもらうのも一つの方法です。