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〒470-022 愛知県みよし市三好町八和田山15番地
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病院の〈知識〉を生活者の〈知恵〉へ

【LINKED plus 病院を知ろう】認知症患者の穏やかな日々を支える。

認知症への理解、患者への理解を深めて入院生活を手厚くサポートする。

認知症患者が抱える課題を解決するために。

「野球、始まりますよ」。そんな看護師の声に促され、みよし市民病院のデイルームにやってきたのは、2階の1病棟(一般病棟)に入院している患者である。画面をじっと見つめ、贔屓の選手がヒットを飛ばすと、うれしそうに目を細めた。この患者は循環器疾患で入院したが、入院後まもなく、認知機能が急速に悪化。夜になると、「家に帰る」と徘徊するようになった。「何とか楽しい気持ちになっていただけないか」。対策に取り組んだのは、認知症看護認定看護師の日浦麻喜である。「ご家族から野球観戦が趣味だと聞き出し、毎日テレビ観戦に誘うようにしました。それからは表情も穏やかになり、よく眠れるようになりました」と、ほほえむ。

もう一人、3階の3病棟(療養病棟)で認知症看護を進めるのは、同じく認知症看護認定看護師の近藤千春である。「最近うれしかったこと」として、次のような話を教えてくれた。「その患者さんは認知症のため、食事をほとんど召し上がりませんでした。そこで、ご家族に好物を持ってきていただいたり、おやつの時間を設けるなど、根気よく食事量を増やす努力を続けました。その結果、数カ月して1日3食おいしく食べられるようになり、最終的には施設に入居することが決まったんです。在宅へ繋ぐことができて、本当にうれしかったですね」。

これらは、同院の入院患者に対する認知症看護の成功事例の一つ。同院では今、この2人が中心となり、病棟全体で認知症看護に力を注いでいる。

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