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更新日:2022年6月30日 27PV
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食物経口負荷試験とは?小児アレルギーの原因を検査する3つの方法

発信者
  • 岐阜県総合医療センター 小児療育内科
執筆者
  • 準備中

キーワード

小児アレルギーは、免疫機能が未熟な子どもがなりやすい食物アレルギーや気管支喘息などのアレルギー反応を主な原因とする疾患のことです。小児アレルギーの治療は「食物経口負荷試験」「血液検査」「皮膚検査」を行い、アレルギー反応を起こす原因物質を特定し、その物質を自身の生活環境から除去することが大切です。
今回は小児アレルギーの検査方法、食物経口負荷試験・血液検査・皮膚検査について解説していきます。

小児アレルギーの原因物質を検査する3つの方法

小児アレルギーは、大人になるにつれ自然と治癒することが多い病気ですが、まだ身体の免疫機能が成熟していない間は、呼吸困難やアナフィラキシーショックなどの重篤な症状が現れる恐れもあります。

そういったアレルギー症状を予防するためには、「食物経口負荷試験」「血液検査」「皮膚検査」などのアレルギー検査を受けてアレルギーの原因物質を特定し、その物質を生活環境から除去することが大切です。

食物経口負荷試験・血液検査・皮膚検査の具体的な検査方法

3つの検査方法を挙げましたが、具体的にはどのような検査が行われるのでしょうか?ここでは、それぞれの検査方法について詳しく解説していきます。

<食物経口負荷試験>

原因物質と疑われる食物を摂取し、アレルギー症状の有無を確認する検査方法で、原因物質の特定に最も確実な方法とされています。 重篤なアレルギー症状が出る可能性もゼロではないため、症状への対処ができる設備の整った医療機関へ行き、医師の指導のもと検査しましょう。

疾患名 2021 2022 2022 2022
アトピー 1 2 2 3
アトピー 1 1 1 1

血液検査

血液中のIgE抗体(アレルギー反応の原因となる物質)の量を測定します。IgE抗体は「特異的IgE抗体」と「非特異的IgE抗体」に分けられており、前者は特定のアレルゲンだけに反応するIgE抗体のこと、後者は血液中の特異的IgE抗体の総量のことです。特異的IgE抗体の値が高い場合は、その項目のアレルゲンに対してアレルギー体質であることを示しています。 血液検査にはいくつか種類がありますが、中でも代表的な検査を3つご紹介します。

CAP-RAST

  • 1回の検査で、アレルゲンのリストから13項目まで選び、それぞれの特異的IgE抗体の量を測定します。
    特異IgE抗体と症状誘発の割合をプロットした曲線(プロバビリティーカーブ)は、この値をもとに記載されています。

皮膚検査

アレルゲンを皮膚に接触させて何らかの症状がでるかどうか確認する検査方法です。比較的、身体への負担が少ないため、小さなお子様でも検査可能です。皮膚検査にもいくつか種類があるため、今回は代表的な検査方法をご紹介します。

治療実績

当院でも、食物アレルギーの患者に対して、血液検査、皮膚試験(プリックテスト、スクラッチテスト)、食物負荷試験(日帰り入院)にて診断し、除去療法の必要性を検討します。 また食物依存性運動誘発アナフィラキシーについても2日間の入院で負荷試験を行い、診断をしています。

画像提供:PIXTA